モチベーショングラフは、自己分析の最初の1枚に最も向いた手法です。この記事は、まず60分で書き切る5ステップの地図とコピーして使える記入例テンプレを最初に置きます。多くの解説が省いている「書いたあとに強み・就活の軸・面接回答へ変換するまで」の型は後半にまとめたので、白紙が埋まらない段階なら最初の2つの見出しだけで足ります。
この記事でわかること:
- モチベーショングラフを60分で書き切る5ステップの地図と記入例テンプレ
- 手が止まる原因別の対処法と、よくある書き方の失敗
- 完成したグラフを深掘りして、強み・就活の軸・面接回答に変換する型
まず書ける:5ステップの地図と記入例テンプレ
いきなり曲線を描こうとすると止まります。感情の起伏を線で表すのは、材料がそろったあとの仕上げです。先に出来事を点として10個置き、あとから線でつなぎます。全体像は次の5ステップです。
| 手順 | やること | 所要時間 |
|---|---|---|
| 1 | 枠を作る(横軸=時期、縦軸=モチベーション) | 5分 |
| 2 | 出来事を10個打点する | 20分 |
| 3 | 点を曲線でつなぐ | 5分 |
| 4 | 山と谷にひと言メモを添える | 15分 |
| 5 | 山同士・谷同士の共通点を探す | 15分 |
最初の一歩は、次の表をそのままコピーして打点欄を埋めることです。凝ったテンプレートを探す時間があれば、この表に出来事を置いてください。
| 時期 | 出来事(事実) | 高低(山/谷) | 事実+感情のひと言 |
|---|---|---|---|
| 中学 | |||
| 高校 | |||
| 大学1年 | |||
| 大学2年 | |||
| 大学3年 |
埋め方の完成イメージが、大学3年・青山さんの記入例です。立派な出来事も日常の出来事も、分析材料としては等価に置きます。
| 時期 | 出来事 | 高低 | 事実+感情のひと言 |
|---|---|---|---|
| 中2 | 吹奏楽部でコンクール銀賞 | 山 | 毎日の基礎練習が結果につながって嬉しい |
| 高1 | クラスに馴染めず孤立気味 | 谷 | 文化祭の係を機に居場所ができて安心した |
| 高3 | 受験で第一志望に不合格 | 谷 | 人の勉強法を真似しすぎたと反省 |
| 大1 | 塾講師のアルバイトを開始 | 山 | 教え方を自分で工夫できるのが楽しい |
| 大2 | 担当生徒の成績が半年間伸びず | 谷 | 教え方を根本から見直す焦り |
| 大3 | 生徒の数学が52点から78点に | 山 | 工夫が当たった瞬間が一番嬉しい |
ここまでで60分。ただしグラフの完成はゴールではなく素材の準備です。本体は後述する「なぜ」の深掘りで、ここに別途60〜90分かけます。自己分析全体のどこにこの作業が位置づくかは、自己分析のやり方完全ガイドで確認できます。
上の白紙テンプレと、書いたあとの深掘り質問をまとめた記入シートを、記事末尾のフォームからメールでお送りしています。印刷して打点から始めたい人はそちらをどうぞ。
書き方5ステップの詳しい手順
ステップ1:枠を作る(5分)
横軸は「小学校〜現在」、縦軸は「マイナス100〜プラス100」で構いません。紙、ノート、スマホのメモ、表計算ソフト、どれでも効果は同じです。線を2本引いて次に進んでください。
ステップ2:出来事を10個打点する(20分)
曲線より先に、思い出せる出来事を点として置きます。出てこないときは、次の4つの質問を各時期にぶつけると進みます。
- 一番頑張ったことは何か
- 一番悔しかった・辞めたかったことは何か
- 時間を忘れて夢中になったことは何か
- 環境が変わったのはいつか(進学・引っ越し・入部・アルバイト開始)
コツは2つです。山と谷をできるだけ同じ数だけ置くこと、そして出来事の大小を評価しないこと。「全国大会出場」も「アルバイトのシフトで揉めた」も、分析材料としては等価です。
ステップ3:点を曲線でつなぐ(5分)
打点した出来事の高さを目安に、1本の線でつなぎます。正確さは不要です。線にする目的は、急上昇・急降下の場所、つまり感情が大きく動いた場面を目立たせることだけです。
ステップ4:山と谷にひと言メモを添える(15分)
各打点に「何があったか」+「そのとき何を感じたか」をセットで書きます。事実だけのメモは深掘りの材料になりません。
ステップ5:山同士・谷同士の共通点を探す(15分)
山だけを3つ以上見比べて「共通して何が満たされていたか」、谷だけを見比べて「共通して何が欠けていたか」を1行ずつ書きます。青山さんの場合、山に共通するのは「自分なりの工夫が相手や結果に反映されること」、谷に共通するのは「正解を外に求めて自分の工夫を手放したこと」でした。ここで出た仮説が、次の深掘りの入口になります。
モチベーショングラフとは:感情の記録から「自分のパターン」を見つける道具
ここで、この作業が何のためかを一度だけ整理します。モチベーショングラフとは、横軸に時間、縦軸にモチベーションの高さをとり、過去の感情の起伏を1本の曲線で表したものです。ライフラインチャートと呼ばれることもあります。
企業が選考で知りたいのは、過去の実績の立派さではなく、「この人はどんな環境で力を発揮し、それは入社後も再現されるか」です。グラフから見つけるべきものは次の3つに絞られます。
- モチベーションの源泉:山に共通する「やる気に火がつく条件」
- 下がる条件:谷に共通する「消耗する環境・状況」
- 回復のパターン:谷からどうやって立ち直ったかの共通点
この3つが言語化できると、自己PRの根拠、就活の軸、挫折経験の回答がまとめて手に入ります。
よくある書き方の失敗:×→○で直す
| ×よくある失敗 | ○直し方 | 理由 |
|---|---|---|
| きれいな曲線を描くことが目的になる | 打点10個とメモがあれば完成とみなす | 評価されるのは線の美しさではなく分析の中身 |
| 山ばかりで谷を書かない | 谷を山と同数まで足す | 価値観と回復パターンは谷に表れる |
| 就活で使えそうな立派な出来事だけ選ぶ | 日常の小さな出来事も等価に打点する | 強みは実績の絶対値ではなく行動のパターン |
| 1回で完璧に仕上げようとする | 60分で一旦切り上げ、後日書き足す | 出来事は数日かけて思い出されることが多い |