業界研究で「何を書けばいいか分からない」まま止まっているなら、まず次の6項目を埋めてください。市場規模・成長性・ビジネスモデル・主要プレイヤー・職種・向く人——この枠を埋めるだけで、その業界の業界研究はいったん形になります。下に記入枠と、1業界を全項目埋めた記入例を用意しました。白紙で悩む時間をなくすために、まずこの枠をコピーして使ってください。
この記事でわかること:
- そのまま使える業界研究テンプレの記入項目と記入例
- テンプレの埋め方の手順(1業界20分)と複数業界の比較の仕方
- 埋めた内容を志望動機・企業研究に変換する方法
業界研究テンプレート|そのまま使える記入項目と記入例
まず記入枠です。このままノートやエクセルにコピーして、1業界ごとに埋めてください。
| 項目 | 何を書くか |
|---|---|
| 1. 業界名/大分類 | 業界名と、どの大分類(メーカー/商社/金融など)か |
| 2. 市場規模・成長性 | 規模と伸びの傾向。必ず出典と年をつける |
| 3. ビジネスモデル | 誰から・何の対価でお金を得ているかを1文で |
| 4. 主要プレイヤーと違いの軸 | 代表的な会社と、何で差がつくか |
| 5. 代表的な職種(3つ) | その業界の中心的な職種を3つ |
| 6. 向いていそうな点/合わなそうな点 | 自分の経験・価値観と結びつけて |
次に、この枠を実際に埋めた記入例です(食品メーカーの場合)。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 業界名/大分類 | 食品メーカー/メーカー(BtoC中心) |
| 市場規模・成長性 | 国内は成熟し横ばい傾向。海外・健康志向で伸びしろ(出典:業界地図2026年版) |
| ビジネスモデル | 消費者や小売に食品を売り、その物の対価で稼ぐ |
| 主要プレイヤーと違いの軸 | 得意なカテゴリ(飲料・菓子・調味料)と海外比率で差がつく |
| 代表的な職種3つ | 営業/マーケティング/生産・品質管理 |
| 向いていそうな点/合わなそうな点 | 生活に身近な物を扱う点に惹かれる。逆に短期で数字が動く刺激は少なめ |
この記入例のように、事実(1〜5)を埋めたうえで、最後に自分との接続(6)を書くのがコツです。6を書かないと「調べただけ」で終わり、志望動機につながりません。ダウンロード資料(業界研究テンプレート)に、この記入枠と記入例をそのまま入れています。
テンプレートの埋め方の手順(1業界20分)
テンプレは、上から順に埋める必要はありません。次の順で進めると、1業界20分ほどで形になります。
- ビジネスモデル(項目3)から埋める:「誰から・何の対価で稼ぐか」を1文にする。ここが業界研究の核です。
- 主要プレイヤーと職種(項目4・5):業界地図や各社サイトで、代表的な会社と職種を確認する。
- 市場規模・成長性(項目2):業界団体・官公庁・業界地図で規模と傾向を調べ、出典と年をメモする。
- 業界名・大分類(項目1):全体を見たうえで、どの大分類かを確定する。
- 向き不向き(項目6):最後に、ここまでの事実を見て「自分の経験・価値観とどうつながるか」を一言書く。
いちばん時間をかけるべきは項目3と6です。市場規模の細かい数字を追うより、「稼ぎ方を1文にできるか」「自分とつながるか」に時間を使ってください。調べ方そのものを詳しく知りたい場合は業界研究のやり方を、業界研究の全体像と終了条件は業界研究とはを参照してください。
各項目に何を書くか
項目ごとに、迷いやすいポイントを補足します。
- 市場規模・成長性:金額の暗記は不要です。「成熟して横ばい」か「伸びている」かの傾向がつかめれば十分。必ず出典名と調査年を添え、2年以上古いデータは使わないでください。
- ビジネスモデル:「【この業界】は、【誰】に【何】を提供し、【何の対価】で稼ぐ」の型で1文にします。無料で使えるサービスほど「本当は誰がお金を払っているか」を確認すると、業界の力学が見えます。
- 主要プレイヤーと違いの軸:会社名を並べるだけでは意味がありません。「A社は国内、B社は海外に強い」のように、何で差がつくかの軸を書きます。
- 代表的な職種:同じ業界でも職種で働き方が正反対になります。営業・企画・技術など、中心的な3職種を挙げます。
- 向いていそうな点/合わなそうな点:自分の熱中した経験・消耗した経験と結びつけます。ここが志望動機の材料になります。
なお、項目を増やしすぎないこともコツです。就活支援サイトのテンプレには10項目以上のものもありますが、最初から全部を埋めようとすると挫折します。まずはこの6項目に絞り、本命業界だけ「動向ニュース」「関連する法規制」などを足すと、負担なく深掘りできます。
もう1業界の記入例(人材サービス)
比較のイメージがわくように、食品メーカーとは稼ぎ方が違う業界の記入例も載せます。BtoBのサービス業として、どう埋まるかを見てください。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 業界名/大分類 | 人材サービス/サービス(BtoB中心) |
| 市場規模・成長性 | 労働人口減で採用需要は堅調。人材紹介・派遣で構造が異なる(出典:業界地図2026年版) |
| ビジネスモデル | 採用したい企業に求職者を紹介し、採用決定時に企業から成功報酬を得る(求職者は無料) |
| 主要プレイヤーと違いの軸 | 紹介・派遣・求人広告のどれに強いか、対象職種や領域で差がつく |
| 代表的な職種3つ | 法人営業/キャリアアドバイザー/広告運用 |
| 向いていそうな点/合わなそうな点 | 人の転機に立ち会える点に惹かれる。数字目標の厳しさは合うか要確認 |
食品メーカーの記入例と見比べると、「誰がお金を払っているか」がまったく違うことが分かります。人材サービスは求職者ではなく採用企業がお金を払います。この「本当の顧客は誰か」を取り違えると、志望動機がずれます。無料で使えるサービスほど、ここを確認してください。2つの記入例を横に並べるだけで、業界比較の感覚がつかめるはずです。
事実と感想を分けて書く
業界研究ノートで最も差がつくのが、事実と感想を分けて書くことです。混ぜて書くと、後で見返したときにどこが客観的な情報でどこが自分の解釈か分からなくなります。
- 事実欄:出典で確認できることだけを書く(市場規模・ビジネスモデル・関連ニュース)。
- 感想欄:その事実を見て自分がどう感じたか、どう考えたかを書く。
たとえば「国内市場は成熟している(事実)」に対して「だからこそ海外に挑戦している会社に惹かれる(感想)」と分けて書きます。この感想欄が、そのまま志望動機や面接回答の下書きになります。テンプレの各項目に、事実と感想の2行を用意しておくと自然に分けられます。